宮本フレデリカさんと将棋ボンソワール・開発跡地

ニコニコ動画で連載中の動画シリーズ『宮本フレデリカさんと将棋ボンソワール』に関するあれこれを書き残しておくためのブログです。

宮本フレデリカさんと将棋ボンソワール(仮)第2話(最終盤についてだけ補足)+訂正

本譜138手目▲2一飛が悪手だったために負けた、と言うのが動画内での解説でしたが、一応飛車の打ち場所は計3箇所ありました。本譜と1一を比較したのが、左香の有無で結論変わったらいいなぁ、くらいに考えての▲1一飛の理由だったのですが、よくよく考えると▲3一飛で勝ちだったわけです。しかも読んでみると、どうも1一に勝るので、これはまずい、ということで、解説文で補足しておきます。動画の結論に大きく関わりますし。

 

そもそも上手は馬を外されると勝ち目ないのですが、厳密には、まあ▲5八銀△6八飛▲6七桂などと合い駒して、網を絞ろうと△4四銀としても▲6四歩で懐が広くなるのでここではっきり勝ちと言えるくらいでしょうか。

 

さて、▲3一飛には飛車合いができません。△4一飛とすると、▲4二金△同玉▲3四桂△同銀▲3二金△4三玉▲4一飛成△同角▲4二飛までで詰みます。飛車が必要な詰み筋なので、当然飛車は渡せないわけです。代えて歩合いなどはできるわけですが、▲5八銀と馬を取られては勝ち目がなく、先述の理由で逃げられます。

 

まあ要するに、ありすはあそこまで最善の応手が指せるのに、なぜか最後の最後で3分の1の悪手を引いたわけです。作者と一緒に。正直自分が最初に読んだのは2一からだったわけですが、これ別に桂の有無は詰みに関係なかったので、桂を外すことを考慮に入れるべきではありませんでしたね。そんなことを考えるくらいなら飛車自身の利きで詰むってわからないとダメだった。筋が悪かった。うーん…。

 

そうはいっても、まあ自力できちんと検討しないと力にならないし、まあ多くの視聴者は初見で騙されてくれたんじゃないかと思うので、楽しんでいただけたのなら幸いです。見破ったなら流石です。

 

 

訂正

21:27ごろフレデリカのセリフ

誤:△8七銀まで、177手で上手の勝ち

正:△6五銀まで、159手で上手の勝ち

『はにわには丹羽仁美さんとクレイジー将棋クイズ』①(1〜5話)

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きっかけ

9月くらいから『対戦! みんなで早押しクイズ』とかいうアプリがTLで突然流行ったんですが(なぜなのかは知らない)、まあ比較的長い期間ゆるーく熱中することになってしまったので、それに関連した何かを作るか、と思っていました。

対戦!みんなで早押しクイズ

対戦!みんなで早押しクイズ

  • Takatoshi Kobayashi
  • ゲーム
  • 無料

 自分は「はにわには丹羽仁美」とかいうふざけたユーザーネームでプレイしていたのですが、友達内対戦で結構な勝率を上げることができ、その奇妙なアイコンも相まって

丹羽仁美に「クイズが強いはにわ」あるいは「歴女属性のくせに日本史が苦手科目というにわか属性持ちの丹羽仁美も、実は他の科目は得意なのでは?」的な二次設定が自分の中で生まれることになりました。

クイズアプリの流行と時を同じくして、#観る将クイズなるタグが生まれ、rangingさんが

 以下のような動画を創作なさったので、似たような感じで作っちゃえー、とノリと勢いで作っちゃいました。

直接的なトリガーは、第9次嘘m@sの期間が近づき、嘉肴(おつまみ)さんが晶葉botの新機能実装の嘘m@s動画をあげたことですが。

まあ本来作らなければならないはずのボンソワール2話をずっと放置したまま、毎週実験とレポートに追われながら何も作れていない、という状態でしたし、動画でも何か作らないとこのままズルズル行きそうだしなあ、という感じ。

角換わりも拒否されたり横歩取りも後手が誘導しづらかったり、先手矢倉も苦戦したり、厳しい時代だなあ。乙倉ちゃんは横歩取りを指すのか、それとも美波が先手で横歩を取らないのか。果たして。

 

問題全文

というわけで、普遍的に面白いと思ってもらえるほど誰にでも通用するネタを詰め込んだわけではなく、内輪でひっそりと笑えればいいか、という感じだったので、わかりにくいネタの解説とかはありませんが、5話にあまりにもみっちりと本編が詰まったため問題全文を掲載できなかったため、それだけを掲載しておきます。

そもそもクイズのことは何もわからないし、ナナマルサンバツとかQm@sとかでとりあえず専門知識っぽいことを知った程度なので、多分ガチ勢の人からすると素人感丸出しなんでしょうが、まあ仕方ない。難易度についてはよくわからないし、確か誰かが「ひと昔前の高校生クイズのように、めちゃくちゃ難しい問題を平然とした様子で正解していくみたいなのがみたい」とか言っていたので、そのイメージで描ければそれでよかった。

 

【 】内が解答。

  1. 西洋音楽の三要素」といえば、リズム、メロディーと何でしょう?【ハーモニー】
  2. 第2期名人戦の唯一の勝ち局は「定山渓の決戦」と呼ばれている、小菅剣之助とともに名誉名人の称号を贈られた棋士は誰でしょう?【土居市太郎】
  3. ドイツ語で「筋」という意味がある、1000メートル先にある1メートルの物体を1とする角度の単位を何というでしょう?【シュトリヒ】*1
  4. 明石花火大会歩道橋事故の際に、この単語の使用の自主規制が行われた、人が次々に折り重なって倒れることを、あるボードゲームの名前を用いて何というでしょう?【将棋倒し】
  5. 佐賀県総合体育館にその胸像が建てられている、1962年に全日本剣道連盟から十段を授与されたため、最後の十段保持者となった剣道家は誰でしょう?【大麻勇次(おおあさ・ゆうじ)】*2
  6. 武市三郎、田中寅彦、石田直裕、佐々木大地などが所属する、棋士奨励会員、将棋連盟職員などから構成される草野球チームの名前は何でしょう?【キングス】*3
  7. 縦軸に絶対等級、横軸に表面温度をとった、恒星の分布図のことを、これを考案したデンマークとアメリカの2人の天文学者の名前から何というでしょう?【ヘルツシュプルング・ラッセル図*4
  8. 「まるで将棋だな」というアニメオリジナルのセリフが大ヒットした、主人公の望月冬夜が魔法とスマートフォンを駆使して異世界で活躍する、という内容のライトノベルは何でしょう?【『異世界はスマートフォンとともに。』】*5
  9. 銀を金に変える液体が人間の尿に存在すると考え、バケツ60杯の尿の濃縮によってリンを発見した、ドイツの錬金術師は誰でしょう?【ヘニッヒ・ブラント】*6
  10. ごはんにかけると中華丼になる料理は八宝菜ですが、桂馬がチェスのナイトと同じ動きをする将棋の変則ルールのことを何というでしょう?【八方桂】*7
  11. そのタイトルは、カラスとなった主人公・魚容の出会った雌の烏の名前に由来する、太宰治の小説は何でしょう?【竹青】*8
  12. 松本渚の漫画『将棋めし』の主人公・峠なゆたの名前の由来となった2つの焼酎の名前とは、橘倉酒造そば焼酎「峠」と、雲海酒造そば焼酎である何でしょう?【那由多の刻(なゆたのとき)】*9
  13. ロシア民謡黒い瞳」に歌詞を書き足したことでも知られるロシア出身のオペラ歌手で、日本に滞在した際、みじん切りのタマネギに漬けこんでから焼くステーキを注文し、その名に冠されていることで有名なのは誰でしょう?【フョードル・シャリアピン*10

 

 最後に

丹羽仁美というキャラクターを知ってもらわないことには総選挙で戦いようがないので、まず認知してもらうためのはにわ丹羽なのですが、できればこの動画を見た人は第7回シンデレラガール総選挙(あるならば)で丹羽仁美に投票よろしくお願いします。某デレステイベントは無念だったので。

*1:これは中の人ネタだった。加蓮の声優の渕上さんがガールズアンドパンツァーの西住みほを演じていたので、戦車系の問題を入れたかった。

*2:珠美に合わせて剣道問題。佐賀出身だし、これ以上ないベストな問題だと勝手に思ってる。

*3:渡辺棋王とかの話題もあってフットサルの方が有名な気はしますけど、観る将の人にとってどれくらい当たり前の知識なんだろうか。自分なら武市三郎の段階で押して筋違い角って言っちゃいそう。

*4:まあアーニャやし? なんかこの問題が地味に受けてた。

*5:将棋に関係する、という前提でなら「まるで」だけで押して正解するんだろうなぁ、という勝手な想像から仁美にボタンを押させたんだけど、どうなんだろうか。

*6:リンって割と早い段階で見つかった元素なんですけど、まあ見つかった経緯は結構面白いし山下次郎なら「錬金術、知ってっか? おしっこに金の元があると思ってリンって見つかったらしいぜ」って言ってくれるんじゃないですか?

*7:僕は単に難しいだけの問題よりは、こういうダジャレではあるけど周辺情報から答えがわかる、という問題が好きです。

*8:えうの目問題。正直小説として特筆すべき内容は、作中最後の自註くらいなんじゃないかと思っているんですが、問題文中に入れると冗長な印象があるし、省くと情報が少ない感じを受けるし、という状態だったので、あまり全文を公開したくなかった。幸子に早く押させて答えさせるという前提があったから無理矢理採用できた。

*9:友紀に橘倉で押させたのはほんの一滴のありゆき成分のためだったんですが、気づいてもらえたのだろうか。

*10:シャリアピンステーキ、などと言うようにシャリアピンの方が日本語にしたときには一般的ですが、アーニャにはシャリャピンと発音させました。

劇中劇『はじめの一歩(いっぷ)』

劇中劇『はじめの一歩(いっぷ)』の経緯について。

www.nicovideo.jp

 

 

きっかけ

発端となったのはこのツイート

 で、まあ何というかほったゆみ先生原作の漫画『ヒカルの碁』のパロディーとして考えてました。だから地味に某「ソウタの棋」より先にやってるんですよね。

肇が主人公に抜擢されたのは、ヒカルの碁で主人公のヒカルに取り付いた幽霊が「藤原佐為」だったので、逆に取り憑かれる方として名前ネタで採用したという経緯だった覚えがあります。

「名前ネタだというのであれば、ヒカルならむしろ南条光の方が良かったのでは?」という指摘が飛んできそうですが、実際その通りです。

多分「人助けをする」という観点では肇より導入がうまく進みそうですね。

ただ、光は正義感強そうなイメージがあって、本家でヒカルがやった佐為による代打ちのような行為を、たとえ非公式戦であったとしても卑怯として頑なに拒みそうだったので、やりたいこととしては向いてないと判断しました。

『南条光の碁』(あるいは棋)、幽霊が他にはおらず誰にも見えない設定でなら、光の良心の呵責が描けると思うので、いいと思います。

 

「あの子」について 

多分初期ツイートと大幅に異なっているのはこの設定だと思います。

当時は

 ということで、星輝子ではなく島村卯月でした。本家『ヒカルの碁』でも実在の棋士本因坊秀策の功績が佐為によるものという設定になっているのですが、フィクションとはいえ代指しは褒められた行為ではありません(というか反則行為な)ので、何らかの改変が必要でした。

プロ公式戦や、それに繋がる対局(作中ではアイドル候補生リーグ、でしょうか。あるいはアマ棋戦)においては絶対に小梅たち幽霊役に代指しさせるわけにはいかないので、肇が岡山出身ということもあり大山名人に取り憑いて四間飛車を指させようとアドバイスした設定にしました。

初代大橋宗桂と本因坊算砂の対局が記されている最古の棋譜では、算砂が四間飛車、宗桂が右四間飛車を採用していますが、当時は美濃囲いが存在しません。美濃囲いが生まれるには江戸後期まで待たねばなりません。

81m@sの名作『盤上のシンデレラ』の卯月はノーマル四間ジャンキーですが、仮にその設定をオマージュさせていただくには、美濃囲い以降に登場しなければならないので、その辺も考慮しないといけない点ですね。

小梅は以前は誰に憑いてたんでしょうか。升田幸三? 山田道美?

 

とはいえやはりいろいろと問題なので、ちょっとした「しょうこうめ」を描きたくて輝子が「あの子」に採用されました。

「盤上の星」と、「盤に取り憑いた小梅」。輝子の成仏のあとも2人は一緒にいるんですよ。盤上に星? あるわけないだろ。これで羽生時代も終わったな。

 

その他配役について

池袋晶葉

実は名前ネタ。『ヒカルの碁』でヒカルのライバルとなる塔矢アキラから、

アキラ→晶→晶葉

と変換した結果。というか天才キャラなので、棋力を失った輝子の力を借りずとも自力で成長できそうだし、むしろ一人でソフト(大石泉製作なのか、晶葉なのか。少なくとも電王手的なやつは晶葉が作っているはず)と対局していた日々を思うなら、欲しかったのは棋力ではなく友達だった、というのは割と納得いく設定かもしれないですね。

 

脇山珠美
首藤葵

コネ採用。本当は仁美とあやめも出したかったですね。センゴク☆華☆ランブはいいぞ。

シン選組ガールズは出ないのかって? 珠美がかっこいいからいいんです。

 

小関麗奈

山形出身アイドルは麗奈か榊原里美、なのですが、イタズラで余り歩を盗んだんじゃないかという酷い言いがかりをつけられてしまったり、風林火山将棋のように変則ルールが似合うという点でこれ以上ないほどぴったりだったレイナサマ。

こういう作中ミニゲーム的なやつ、かなり好きですね。

対局に必要な40枚の駒に加えて余り歩が2枚、というのが基本ですが、輝子が取り憑いていたため、また「死に(42)」に繋がるのを避けて「良い(41)」にするために、以前の駒の持ち主から預かっていた設定です。いい駒なので目標として持っていたのかも。

 

タイトルについて

ビビさんのツイート

 を採用。某ボクシング漫画……。

そのまま藤井羽生戦の一歩竜王棋譜*1を採用するだけではタイトルにするには弱いので、このために失われた「物理的な」一歩を探しに行く展開を用意したのが麗奈編のきっかけだったり。

 

その他小ネタ

そびえ立つ京都タワー問題

バクマツ=タワーと揶揄されていましたが、デレステ紗枝コミュのをそのまま使ったので京都タワーが立っていますね。あれはわざとです。わざとです。

天童=京都問題 

天童の背景は周子の実家の和菓子屋。

藤井−羽生戦引用ノルマ問題

第1話冒頭の高垣−島村戦も羽生−藤井戦の引用ですが、別に文香さんの歌的なノルマではないです。偶然です。

 

『はじめの一歩(いっぷ)』のこれから

ウソm@sでもなんでもやればいいのかもしれないですけど、ボンソワールだけで手一杯なので、割と本気で誰かやってくれるなら歓迎……なのかもしれないです。来年度は忙しくなるので、その前になるべく進めておきます、はい。

 

以上。

このブログについて

拙作『宮本フレデリカさんと将棋ボンソワール』に関するあれこれをまとめていく予定です。

劇中劇『はじめの一歩(いっぷ)』について、「配役が珍しい」などとコメントをいただきました。ボンソワールはTwitterでつぶやいたデレマス×将棋ネタを、単なるネタではなくきちんとした作品として消費しよう、という試みによって作っているため、そこに内輪ネタ感が現れてしまうのは避けられません。

作者過去ツイをわざわざ掘り返すのもノイズが大きいと思うので、ここにまとめます。

本来であればこういう場ではなく作品のみで楽しめるのが理想なので、ちょっとした裏話程度に止めておきたいところ。

基本的に本編に関しては、動画公開から1ヶ月経ってからの公開とします。

 

書くもの
  • 動画素材あれこれ
  • 本編で出なかった変化
  • 棋譜の元ネタ
  • キャラに関する配役などの元ネタ

etc.

 

あ、念のために言っておきますが、デレマスのアイドルたちが将棋について解説や観戦記、感想戦などをやったりする、いわゆる「将棋アイドルブログ」の形式は取りませんので悪しからず。